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2011年11月14日 (月)

ベートーヴェン ピアノソナタ”テンペスト”

来春音大ピアノ科を受験する生徒がベートーヴェンのピアノソナタ17番”テンペスト”を弾いています。

曲の愛称の由来は、弟子にこの曲の解釈を尋ねられた作曲者自身が、『シェイクスピアのテンペストを読みなさい』と答えたからと言われています。

”テンペスト”とは”嵐”の意ですが、シェイクスピアの戯曲中の嵐は単に自然現象でなく、魔法で作り出されたもの。そこに妖精や半人半魚まで登場する童話風な作品です。

さてベートーヴェンのこの曲の特徴は、3楽章ともソナタ形式(提示部ー展開部ー再現部)で作られている事なのですが、第1楽章の構成について面白い分析をしている本を読み、早速生徒に話しました。

少し専門的なお話になりますが、第1楽章の作りは、冒頭~左手と右手の対話的フレーズの出てくるまでを序奏部と考えるのが一般的解釈ですが(私もそう考えていました)、諸井誠著「ベートーヴェン ピアノソナタ研究Ⅱ」を読むと、シェイクスピアの戯曲と照らし合わせると、冒頭のアルペjッジョの動機は弟の陰謀で島流しになったプロスペローのライトモティーフで、この島のシンボル(空気の精エアリエル愛用のエオリアンハープと多くのピアニストは誤解している)、これに続く8分音符の第2動機はプロスペローに助けられ、今は彼の言うなりに働く空気の精エアリエルのせわしなく動く様を表している。その後の左右の手の対話的フレーズは確保・・・

同じ曲でも様々な解釈、演奏があるのは当然のことですが、フレーズのキャラクターを考え、具体的なイメージを描いてみることは、曲の理解を深め、新しい発見もでき、演奏内容アップに繋がると思います。

実際お互いに持つイメージを話し合った後の生徒の演奏はとても表情豊かで楽しいものに変わりました。

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